モニター：色温度で6500Kと9300Kがあるが、この違いは？

テレビの色温度について、海外の基準が6500Kに対して日本が9300Kとなった経緯は、主に放送規格と市場のニーズに起因していると言われています。日本のテレビ放送は、NTSC-J方式を採用しており、昔から9300Kの色温度が基準として用いられてきました。これは、特に彩度が高く明るい映像を視聴者に提供するために設定されたものです。これに対し、6500Kは、国際基準における自然光に近い色温度とされています。6500Kは、D65（国際的な基準として利用される色温度で、自然光の再現性が高い）としても知られ、多くの国のテレビ制作において採用されています。

日本において9300Kが好まれる理由は、視聴者の好みや文化的背景にも関係があります。日本の視聴者は、視覚的に明るく鮮やかな映像を好む傾向があり、これが9300Kという高い色温度の選択に影響を与えています。また、放送業界では9300Kが通例とされ、これに従って制作されているため、制作側もこの基準を維持しています。

最近では、テレビの制作も6500Kを基準とするものが増えてきており、映像制作の国際化が進む中で、日本でも6500Kの採用が広がる傾向にあります。